火星で酸素の人工生成に成功!火星に酸素を満たすことは出来るのか? | ネタきゃっち

火星で酸素の人工生成に成功!火星に酸素を満たすことは出来るのか?

火星 社会

火星で酸素の人工生成に成功したそうです。

意外ではありますが、地球以外の星で酸素を生成するのは今回が初めてとのこと。

[引用 ここから]

米航空宇宙局(通称:NASA)は20日に、火星の表面で探査車パーシビアランスに搭載した装置で、火星の二酸化炭素から酸素を生成する実験を行いました。

「二酸化炭素分子は炭素原子1つと酸素原子2つでできている。

今回、装置の中で800度の高熱を加え、酸素と一酸化炭素に分解した。

宇宙飛行士1人が10分間で呼吸する量に相当する、約5.4グラムの酸素が得られた」

[引用 ここまで]

とのこと。

酸素は人間の呼吸だけに限らず、ロケットの打ち上げなどにも必要なものですが、地球から運ぶには重くて難しいのです。

そのため現状では、現地の火星で酸素を作るほうが安く済み、実用的だそうです。

しかし、火星で酸素を貯蔵するには多くの問題があります。

火星で酸素は貯蔵できるのか問題

宇宙飛行士

現状の問題点として考えられるのは、作った酸素をどのように貯蔵するのかです。

火星に酸素などの「大気」がない理由はいくつか仮説がありますが、証明されたものはありません。

そのなかで有力視されているのは下記の3つです。

1:火星の磁場が不安定であるため、太陽風により徐々に浸食された。

2:大気の大半を吹き飛ばすほどの大きな天体の衝突があった。

3:火星の小さい質量のため、宇宙空間に逃げた。

もしも1と3が正しい説だとすれば、いくら火星で酸素を作っても維持ができないことになります。

そうなると、作った酸素を溜め込むタンクのようなものが必要になりますが、それを建造するための資材や道具を運ぶのも現状では簡単なことではありません

火星で人間がタンクを建築できるのか

仮に、火星まで建築資材などを運べたとしても、酸素がないので人間が建築することは難しいでしょう。

「現実では、酸素のない宇宙ステーションの建造に成功しているではないか、そう考えれば可能なのではないか」とおっしゃる方もおられるでしょう。

しかし、その宇宙ステーションの建造にも50回以上の打ち上げで少しずつ部品と、それを組み立てる人を宇宙に運んで完成させたものです。

酸素のない空間では滞在時間が限られるため、何度も地球に戻って補給しながらのことです。

宇宙ステーションを作ったときのようなこの方法が、火星においても可能かどうかと言われるとかなり厳しいでしょう。

先に述べたように、現時点では火星には酸素がないため火星からロケットを飛ばすことは出来ません。

つまり、火星に酸素タンクが完成しないことには、人を送り込んでも帰れないことになります。

そして酸素を運ぶというのも難しいため長期滞在が不可能に近く、百歩譲って滞在してる人が呼吸する分だけは火星で生成し続けるとしても、そのために必要なものをずっと送り続ける必要があります。

それが何らかの理由で途切れたら命の危機に陥るため、火星で何かを建築するというのはとても難しいでしょう。

建築用ロボットでも厳しい

宇宙ステーション

現時点では、火星で建築までできるほどの優れたロボットはありません。

あちらこちらでロボットが活躍していますし、日進月歩と言っていい速度で進歩していますが、流石に建築を全部こなすことは厳しいです。

仮に建築を完成できるロボットがあったとしても、今度は動き続けるためのエネルギー源をどうするのかという問題にあたります。

過去に火星に送られた火星探査ロボットの場合、太陽電池を搭載していたため長時間の稼働が可能でした。

「ならば太陽光発電設備を設置して、そこで充電するようにすればいい」と思いますが、ここで最初の問題に戻ります。

そうです。現状では、その設備を作るための資材を火星へ送ることは困難なのです。

火星探査ロボットに搭載された太陽電池は、さほどパワーを必要としない各機材を動かすためのものでした。

太陽電池の発電効率はあまり高くないため、多少大きくして建築用のロボットに取り付けたとしても、かなり重いタイプもあります。

これを持ち上げようとするだけでエネルギーが枯渇するのは目に見えています。

ここまで述べたことから、火星に酸素を「貯める」には、いくつもの問題を解決しなければならないのです。

ですが人類は、宇宙ステーションを作ろうと少しずつ資材を運び、組み立てにも成功しています。

技術なども少しずつ進歩させながら問題を解決してきた過去がありますので、決して不可能ではないようにも思えます。

酸素タンクが建てられ、ロケットが打ち上がる火星の未来

火星と地球

今回の実験も「火星で酸素を作る方法はある」ということを証明したものです。

これによって、素人である私でさえも「火星に大気を貯めるには方法があるが、現時点では無理」ということを、宇宙開発の歴史を振り返りつつ知ることが出来ました。

宇宙開発のプロたちはもっと明確な改善案を考え、そのためにはどうすればいいのかを既に思いついているのかもしれません。

数年後、数十年後には火星に大きな酸素タンクが建てられ、火星からロケットの打ち上げが行われ、地球と行き来するだけでなく他の星へも旅立つ、そんな未来が来るのかもしれません。

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