これまでの自動車は、ドライバーが操作することにより動くことのできる機械でした。
しかし、自動運転化技術の発展に伴い、自動車がドライバーなしで動くことができるようになりつつあります。
そのような中で、最近国内でも自動運転レベル3を搭載した自動車が発売されました。
政府が目標としている自動運転レベルは5段階ですから、レベル3はだいぶ自動運転に近づいたのではないかと期待が膨らみます。
この記事では、自動運転化技術及び国内で発売された自動運転レベル3の自動車について、紹介します。
自動運転レベルについて
まず、自動運転レベルについてです。
自動運転レベルは、その段階により5段階に分けられています。
この5段階で、レベル1から2がドライバーの監視が必要な範囲です。
対して、レベル3から5はドライバーに代わりシステムが自動車を監視する段階となります。
ここで、各段階のレベルについてそれぞれの概要を説明します。
レベル1:ACC、LKAS、自動ブレーキ
レベル1は、高速道路などで使用するアダプティブクルーズコントロール(ACC)やレーンキープアシスト(LKAS)、そして自動ブレーキが該当します。
このレベルは、自動車がドライバーの運転を支援し、自動車の前後または左右方向いずれかの制御を行う段階です。
レベル2:自動車の前後及び左右方向の制御を同時に行う
レベル2は、自動車がドライバーの運転支援を行う点は共通です。
相違点は、自動車の前後及び左右方向の制御を同時に行う点にあります。
例えば、サービスエリアから高速道路への合流を自動で行うことや、走行車線を維持しつつ先行車両との車間距離を保ったまま走行するなどです。
レベル3:システムが自動車を制御
このレベルからは、限定的ではありますがドライバーに代わりシステムが自動車を制御します。
特定の条件下においてはシステムが制御しますが、条件外や何かしらの問題が発生した場合はドライバーが介入しなければなりません。
レベル4:作動の継続が困難な場合でもシステムが対応
このレベルでは、特定の条件下においてドライバーに代わりシステムが自動車を制御する点は共通です。
しかし、作動の継続が困難な場合でもシステムが対応する点が異なります。
レベル5:ドライバーの介入が不要
最終段階のレベル5では、常にシステムが自動車を制御することでドライバーの介入が不要の状態になります。
この段階になれば、これまでの自動車に搭載されていたハンドルやアクセルなどは不要になるでしょう。
レジェンドに搭載された自動運転化技術について
2021年の3月に、ホンダ社から自動運転レベル3を搭載した新型のレジェンドが発表されました。
注目の自動運転化技術は、トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)と呼ばれます。
この機能は、高速道路を走行中に渋滞に遭遇し時速が30km/h以下になった場合に自動的に作動するものです。
この機能が働いている間は、停止や発進は自動的に行われ、ドライバーはディスプレイで動画を鑑賞したりナビ操作をしたりできます。
そして、渋滞が解消され時速が50km/hを越えた場合、この機能が解除されてシステムから運転の引き継ぎを任される仕組みです。
この機能を利用するためには、いくつかの条件をクリアしている必要があります。
まず、自動車が高速道路上にいて位置が正確にわかる状態でなければいけません。
そして、前後に車両が走行していることや悪天候でないこと、視界が良好であることが必要です。
つまり、車両に取付けられた合計10個のセンサと2個のカメラが有効に機能しないような条件下では自動運転機能を使用できないことになります。
今後の課題
限定された条件ではありますが、ドライバーがハンドルから手を放して自動運転機能を使用できることがわかりました。
自動運転機能は魅力的ではありますが、課題などもあります。
まず、現段階では完全な自動運転ではないことが挙げられるでしょう。
自動運転中はシステムに運転を任せられますが、ドライバーは何をしていても良いというわけではありません。
例えば、スマートフォンを操作していたり、席を移動したりすることは基本的にしてはいけない行為です。
何かしらの条件で自動運転が解除された場合、ドライバーが運転を引き継ぐ必要があります。
そのため、ドライバーがシステムからスムーズに引き継げない状態でいることは危険です。
また、自動運転中に発生した事故の責任については、明確な回答がありません。
これに関しては、事故の状況などに基づいてその場に応じた判断が下されます。
自動運転化技術まとめ
自動運転化技術について、その概要と国内で発売された自動運転レベル3を搭載した自動車について紹介しました。
ここで、重要事項をまとめておきます。
- 政府が公開している自動運転レベルは5段階
- 自動運転レベルの1から2はドライバーが運転を監視する必要があるレベル
- 自動運転レベルの3から5はシステムが主体となり自動車を制御するレベル
- 2021年3月にホンダ社から自動運転レベル3を搭載したレジェンドが発表された
- 限定的ではあるが高速道路上で30km/h以下になった時に自動運転機能が使用できる
- 自動運転中はナビの操作やDVDの鑑賞等が可能
自動車の完全自動化までの道のりはあるものの、技術発展に伴い少しずつ近づいてきています。
映画などで見ることもある完全自動化された自動車は、前までは夢物語だと考えていました。
しかし、私たちがその恩恵を享受する日もそう遠くはない未来かもしれません。
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