世界各国が取組む環境問題の対策として、特に主要な大国が2030年までに温室効果ガス削減40-50%を目指しています。
小泉進次郎環境大臣による「ステーキ食べたい」発言がきっかけで、気候変動問題に注目し始めた方もいるのではないでしょうか。
TV番組やニュース記事などでも、牛肉など『肉食』問題へフォーカスしたサステナブル(=持続可能な)食生活が見直され、ビーガン食に光を当てるきっかけにもなりました。
ビーガンとは?
ビーガンとは、ベジタリアンと呼ばれる人々のなかでもトップに位置する完全菜食主義のことです。
肉・魚・卵・乳製品など、動物性由来食品や皮革製品などを一切使用しないのが特徴です。
ビーガンの人々は、植物性由来食品を好んで食べ、プラントベースのライフスタイルを確立しています。
そして、ビーガンが少しずつ世間に浸透し始めると、ビーガン食の商品提供をおこなうメーカーも出てきました。
植物由来の『魚風味酵母エキス』が発売
ビーガン対応のアレルゲンを一切含まない新商品、魚風味酵母エキス(プロセスフレーバー)ソリューション『Maxavor Fish YE』が、DSMから発売されます。
『Maxavor Fish M YE』は旨味たっぷりで、魚油の豊かな香りが感じられる赤身魚風味です。
『Maxavor Fish W YE』は、さっぱりとした白身魚風味に仕上がっています。
フィッシュナゲットやフィッシュソース、フィッシュケーキ(魚のすり身・ジャガイモ)といった、魚代替食品の開発などへ使用できる低塩製品(食品の栄養特性を損なわない)であり、イノベーティブな藻類由来のオメガ3油脂技術が応用されています。
さらに魚由来食品の風味向上や、植物由来の魚代替食品にも魚本来の風味と食感を与えることができる商品です。
可愛らしいストーリーと共に新商品のビーガン・フルーツシェークが話題
2021年3月3日、JR岡山駅構内の商業施設『さんすて岡山南館』に、ボタニカルシェーク専門店『COCO&NATSU(ココアンドナツ)』がオープンしました。
月1のペースでビーガン・フルーツシェークの新商品が提供されます。
使用される材料は、色・形・大きさ・硬さなどが規格外のため、果物卸売会社で廃棄されていくフルーツです。
他にも、ノリッシュ・ジャパン(愛媛県松山市)が輸入販売するビーガン・アイスクリーム『NICE CREAM(ナイスクリーム)』もフードロス削減に寄与し、ビーガン・フルーツシェークとして商品化しました。
カロリーが気になる健康志向の方、ビーガンに興味のある人はぜひ試してみてください。
メニューを紹介します。
『ストロベリー(あまおうイチゴ/福岡県産)』、
『カベルネ・ソーヴィニヨン&ハスカップ(カベルネ・ソーヴィニヨン/兵庫県産)(フルーツレモン/八丈島)』、
『ピーチ&ジンジャー(桃のピューレ/岡山県産)(ショウガ/高知県産)』、
『マスカット&レモン(マスカット・オブ・アレキサンドリアのピューレ/岡山県産)(瀬戸内レモン/愛媛産・広島産)』ほか。
Sサイズは350円、Mサイズは450円で販売しています。
同社スタッフの奥様がデザインしたという、お店のマスコットキャラクターもかわいいです。
おかっぱ頭で田舎育ちの『ココちゃん』と、ロングヘアで都会育ちの『ナツちゃん』。
ミルクが飲めないココちゃんに、ナツちゃんが”ミルクを使っていないビーガン・シェーク”を作ってあげるという、かわいらしいストーリーが紡がれていきます。
2021年に販売!ネスレのビーガン向け『キットカット』
乳製品を不使用使という『キットカットV』(チョコレート菓子)がネスレから新発売されました。
持続可能なココアと、乳製品の代わりにコメを原料としています。(ブルームバーグ通信)
今後も植物由来食品・飲料のトレンドが続くと見ているネスレでは、今年、日本以外の数カ国で『キットカットV』の販売を決定しています。
食品大手ネスレは、「材料に関するノウハウと、試して学ぶアプローチを組み合わせ、オリジナルのキットカットに代わるおいしいビーガン製品を開発した」と声明を出しました。
2019年、チョコレート菓子業界の英マースでは、健康や環境上の理由から肉・乳製品を減らしたい消費者向けに、すでにビーガンシリーズのチョコレート菓子を発売しています。
他にも、リンツ、キャドバリーといった大手でも、ビーガン菓子を展開中です。
欧州向けビーガン・麺が大好評!
根岸物産(群馬)では、ビーガン向け麺商品が好調な売れ行きを見せています。
5年ほど前からビーガン向けに開発した焼きそばの受注が増え、カタールやシンガポールなどにも販路を拡大しました。
今後も、欧州・ドイツを皮切りに、オランダ、オーストリアへの販路拡大を目指しています。
忙しい朝にも頼もしい味方、ビーガンプロテインバー
すでに広く市場に出回っているビーガンプロテインバーは、1本あたり21gの高タンパク質と、繊維を多く含んでいて、グルテンフリーで低糖質のビーガンスナックです。
世界のビーガンプロテインバー市場では、2021年から2025年まで、5.6%のCAGRでの成長が予測されています。
このように、ビーガン向け食品は、世界規模におけるサステナブル市場として非常に注目を集めており、今後ますます需要が伸びていくことでしょう。
ビーガンに警鐘を鳴らす人々も
一方、英国の研究結果では肉や魚、乳製品を食べないビーガンやベジタリアンは、骨折リスクが4割以上高いと出ています。
そのため、以下の文献のようにビーガンに警鐘を鳴らす人も…。
引用:
「骨の健康のためにはタンパク質、ビタミンK、リン、マグネシウムなども必要だ」
引用: 出典元: ビーガンやベジタリアンは骨折リスクが高い (C) DIAMOND online
さらに、ビタミンB群、鉄、亜鉛なども不足しがちだと言われており、アメリカ・テキサス大学サウスウエスタン医療センターのLona Sandon氏は、肉や魚を引き続き摂り入れることを推奨しています。
引用:
「健康的な食生活において、肉は必須ではないものの、
ある程度の鶏肉や魚などを取り入れるメリットは大きい」
引用: 出典元: ビーガンやベジタリアンは骨折リスクが高い (C) DIAMOND online
サステナブルを意識し、植物性由来の食品を上手に摂りいれていくことは大事だと思います。
その上で、必要な栄養素を適宜摂取することも、健康維持やメンタル面の安定を保ち続けるためには必要なのかもしれません。
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